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お金のしくみを学ぼう!

お金はどこから来ている?

この世に流通しているお金。そのお金はどこから来ているのでしょうか? 一般的にはお金は発券銀行である日銀が発行し、それを銀行が貸し出して市中に出回ると考えられています。

最近主張されているMMT(現代貨幣理論)ではそう考えません。MMTによると、お金は私たちが借金をする時、つまり銀行からお金を借りる時に作られると考えます。お金は日銀が作っているのでなくて銀行が人々にお金を貸した時に作られるということ。

紙幣発行は日銀の仕事。しかし私たちが日常で手にするお金の量は僅かです。お買い物もカード払いが多く、アマゾンなどeコマース利用では情報だけがやりとりされ、現金は関わりません。家や車を買うなど一定額を動かす時も同じで札束で払う人はほとんどいないでしょう。

私たちが銀行からお金を借りる時に銀行が私たちの口座に負債情報を打ちこみます。これでお金が発生します。MMTによると、現代のお金はコイン紙幣というより「情報」。この仕組みを理解すれば、経済にとって借金がどれほど大切な出発点かが分かるでしょう。

そう。借金は悪ではなく経済循環の出発点。言い換えれば、誰も借金しない社会はお金が生み出されず経済が停滞する社会。今の日本はそうなっていませんか?

誰かの借金は誰かの所得

一般的に借金は悪いことと考えられています。確かに返す当てのない借金はしてはいけません。その一方で、誰かが借金することでお金が発生します。そのお金は借りた人のところにじっとしていることはなく、必ず他人のところに行きます。そのために借金したのだから。

投資のため、あるいは支払いのために人は借金します。その借金によってお金が発生して誰かの所得になります。借金こそ経済循環の第一歩。何回も主張しておきましょう。

国債は政府の借金

日本国債の累積残高は1000兆円をゆうに超えています。これにしても政府の借金は国民の所得です。国債発行残高と反比例して個人預貯金額は増えています。政府借金が個人所得あるいは企業所得になっています。

政府は永続することを前提としますから、個人のように期限までに返さなければならないということはありません。利払いできる限り、国際は借り換えが可能。もちろん債権者がその借り換えに応じればの話です。

日本国債の債権者で、今すぐ元利償還するように求める大規模な経済主体はほとんどいません。日本国債買い手の9割以上が日本人または日本企業。すぐに返せと言ってこないのです。日本国債は安全な資産です。日本国債は危ないというメディア報道の一方で日本国債は品薄で飛ぶように売れています。

今は国債発行残高を気にする必要なし

民間に活力がない場合には政府借金が国民所得を増やす重要な役割を果たします。日本は平成になってから30年以上のデフレ。そう簡単に長期金利が上昇する状況ではありません。今は国債発行残高を気にする時ではなく、むしろ政府がどんどん借金をして市中に資金を流し続けるべき時です。