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私大は慶大の一強か?

現在の私大入試で論述問題を出しているのは、ほぼ慶大だけとなりました。他の私大入試はほぼすべてマーク式。要するに暗記だけでなんとかなる形式です。これで学力ある受験生を選抜できるはずありません。

 

慶大と並び、早慶と呼ばれてきた早大も、今はほぼマーク式で、私は今後、早大の実力は徐々に低下していくだろうと見ています。入試問題は言わば大学の顔であり、どんな出題をするかが、やがては大学力を決めていきます。

 

そんな中、毎年数万人が受験しにくる慶大のさまざまな学部で、今も論述問題を課していることは刮目に値します。この地道な努力こそ受験生の思考力、論理力を育み、入学後も自己表現に優れた人材を生みだします。

 

今、日本の私大は自らの入試問題に関し、このままで良いのかという問いを立てるべき時期に来ています。けれどそんな危機感もなく、ただ惰性の大学経営が続いています。

 

少子化で、大学を見る保護者、受験生の目も厳しくなる中、これまで安泰だった東京の私大もいつ見限られるか分かりません。私大は慶大の入試問題を見習うべきです。