ロシアにアレクサンドル・ドゥーギンという哲学者がいます。プーチンのブレーンとも言われ、時に過激なロシア主義で知られています。日本メディアを含め、西側メディアではほとんど取りあげられませんが、ウクライナ戦争を語る時、外せない哲学者です。
ドゥーギンがよく語っている言葉が「文明の衝突」です。2000年頃、米国のサミュエル・ハンチントンが言い始めた言葉で、冷戦後にいくつかの「極」が衝突しあう世界になることを表現したものです。
ドゥーギンはハンチントンの「文明の衝突」こそ、今ウクライナで起きている戦争と分析。ロシアは文明を賭けた戦いをしていると主張しています。おそらくドゥーギンのこの主張は正しいでしょう。プーチン大統領も「世界は多極化へ向かっている」と言明。
文明がテーマであるからには、ロシアがそう簡単に引きさがることはありません。単なる領土拡大ではなく、ロシアは今、西側文明に挑戦状を叩きつけているわけです。
ロシアが提起している問いは。
西側がこれまで普遍的と触れ回ってきた自由主義、民主主義、開かれた社会、自由な商取引といったイデオロギーは本当に人類を幸福にしているか?
このイデオロギーをロシアは拒否するとドゥーギンは主張。ロシアはロシアの道を行くとのこと。ドゥーギンがロシアの言論をリードしている現状から見て、ウクライナ戦争は長引くこと必至です。
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